OmegaTとテキストエディタの連携 ― 2013年08月14日 11:55
OmegaTを使い始めて1年あまり経つが、その間に頻繁に機能向上やバグ修正がなされてきた。OmegaTを数年前に試用して放棄された方も、最新バージョンを試せば格段の進歩を感じるのではないだろうか。特にWindows版で日本語入力関連のバグが解消されたのは大きい。
OmegaTのUndo動作不具合
Windows版OmegaTの日本語入力の不具合
現在、翻訳メモリが有効と思われる案件にはOmegaTを使っているが、エディタ機能を補完するためにサクラエディタと連携させている。たとえば下記のような日英翻訳の画面があったとする。
ここで、作業中の分節に相当する原文、訳文、用語集が、テキストエディタのウィンドウで別に開くようになっている。
1行目が原文分節で、行末の赤色「@@」はマーカー。2行目が訳文分節で、用語集を用いた自動置換がすでになされている。4行目以降がマッチした用語集項目。原文項目の長語順にソートされており、その順番で訳文分節を対象に置換が行われる。
現状では、OmegaTの原文分節内はマウスを使わなければ選択できないが、このようにテキストエディタに移せばキーボード操作で選択できる。これは自分にとっては重要な点だ。
(後期:原文分節内のテキストをキーボード操作のみで選択する機能はOmegaT 3.6.0で実装された。)
いったん使い慣れた高機能テキストエディタに作業場を移せば、編集作業が格段に楽になる。訳文を完成させたら、それをOmegaTウィンドウの訳文分節に自動で戻す。
こうした自動置換機能があると、訳語が決まっている用語の脳内変換や打鍵が減ってだいぶ楽になる。年号・日付等の自動変換も組み入れることができる。
種々のツールをごちゃごちゃ組み合わせているので、残念ながら一般ユーザに提供できる技術になっていない。いずれはこの種の機能がOmegaTに標準装備されるものと期待している。
OmegaTのUndo動作不具合
Windows版OmegaTの日本語入力の不具合
現在、翻訳メモリが有効と思われる案件にはOmegaTを使っているが、エディタ機能を補完するためにサクラエディタと連携させている。たとえば下記のような日英翻訳の画面があったとする。
ここで、作業中の分節に相当する原文、訳文、用語集が、テキストエディタのウィンドウで別に開くようになっている。
1行目が原文分節で、行末の赤色「@@」はマーカー。2行目が訳文分節で、用語集を用いた自動置換がすでになされている。4行目以降がマッチした用語集項目。原文項目の長語順にソートされており、その順番で訳文分節を対象に置換が行われる。
現状では、OmegaTの原文分節内はマウスを使わなければ選択できないが、このようにテキストエディタに移せばキーボード操作で選択できる。これは自分にとっては重要な点だ。
(後期:原文分節内のテキストをキーボード操作のみで選択する機能はOmegaT 3.6.0で実装された。)
いったん使い慣れた高機能テキストエディタに作業場を移せば、編集作業が格段に楽になる。訳文を完成させたら、それをOmegaTウィンドウの訳文分節に自動で戻す。
こうした自動置換機能があると、訳語が決まっている用語の脳内変換や打鍵が減ってだいぶ楽になる。年号・日付等の自動変換も組み入れることができる。
種々のツールをごちゃごちゃ組み合わせているので、残念ながら一般ユーザに提供できる技術になっていない。いずれはこの種の機能がOmegaTに標準装備されるものと期待している。
コメント
_ hee ― 2016年01月13日 13:36
_ カスヤ ― 2016年01月15日 21:24
heeさん、コメントありがとうございます。外部エディタと連携させると、CATツールを乗り換えても同じ操作性で編集できるのでいいですよね。
MemsourceとTrados Studioについても、ここに書いたのと同じような仕組みがほぼできたので、そのうち記事にしたいと思っています。
heeさんのグレップ検索ツール lwFinder に関心があるのですが、Memsourceでどのように使えばいいのかまだ分かっておりません。いずれ質問させていただくかと思います。今後ともよろしくお願いいたします。
MemsourceとTrados Studioについても、ここに書いたのと同じような仕組みがほぼできたので、そのうち記事にしたいと思っています。
heeさんのグレップ検索ツール lwFinder に関心があるのですが、Memsourceでどのように使えばいいのかまだ分かっておりません。いずれ質問させていただくかと思います。今後ともよろしくお願いいたします。
_ fu7mu4 ― 2016年05月10日 20:19
はじめまして。
この機能はすごいですね。どうやって実現しているのでしょうか?
設定を教えていただけないでしょうか?
この機能はすごいですね。どうやって実現しているのでしょうか?
設定を教えていただけないでしょうか?
_ カスヤ ― 2016年05月12日 14:54
fu7mu4さん
いろいろなツールをごてごてと併用しています。
おおまかには、AutoHotKeyを使ってOmegaTの原文、訳文、用語集のデータをクリップボードに取り込み、それをPerlに渡して文字列処理し、その結果をサクラエディタのマクロを使って表示します。
サクラエディタからOmegaTに訳文を戻す時も、AutoHotKeyを使ってクリップボード経由で渡しています。
AutoHotKeyは置換など文字列処理機能もあるので、その気になればAutoHotKeyのみでもできそうです。
いろいろなツールをごてごてと併用しています。
おおまかには、AutoHotKeyを使ってOmegaTの原文、訳文、用語集のデータをクリップボードに取り込み、それをPerlに渡して文字列処理し、その結果をサクラエディタのマクロを使って表示します。
サクラエディタからOmegaTに訳文を戻す時も、AutoHotKeyを使ってクリップボード経由で渡しています。
AutoHotKeyは置換など文字列処理機能もあるので、その気になればAutoHotKeyのみでもできそうです。
_ TM ― 2020年09月18日 13:42
Omega-T をインストールしたばかりの者です。
ソースファイルをうまく読み込めません。
アドバイスがあれば、お願いします。
ソースファイルをうまく読み込めません。
アドバイスがあれば、お願いします。
_ TM ― 2020年09月24日 17:15
テキストボックス内の文字列が Editor に反映されません。
何か解決法があれば、ご教授ください下さい。
何か解決法があれば、ご教授ください下さい。
_ カスヤ ― 2020年09月25日 20:18
ソースファイルの拡張子は何でしょうか(例えばdocx)?
テキストボックス以外は表示されていますか?
テキストボックス以外は表示されていますか?
_ たけお ― 2021年01月08日 13:50
OmegaTの操作を学習中です。(以前、TRADOSを数年やっていましたが、使用しなくなって数年経過したという状況です。)一文が極めて長いことが多い原文を扱っています。翻訳メモリを使用していない場合、通常、テキストアプリ(e.g. Pages, Words)上で、意味の切れ目で原文を改行して、訳しております。OmegaTでは、これができないことが判り、カスヤ様でしたら、何かご存知かと思い、質問させていただきました。よろしくおねがいします。
_ たけお ― 2021年01月08日 18:21
コメントをアップしたあとで、改行の仕方を発見しました。
未翻訳の文節に移動したときに、「原文を挿入」にチェックをし、
挿入された原文の所望の箇所で、shiftを押しながらreturnを押したら改行できました。
お騒がしてすみませんでした。
未翻訳の文節に移動したときに、「原文を挿入」にチェックをし、
挿入された原文の所望の箇所で、shiftを押しながらreturnを押したら改行できました。
お騒がしてすみませんでした。
_ たけお ― 2021年01月08日 22:24
たびたび、失礼します。原文において、shift + return (Macです)により、改行ができたと言いましたが、それができなくなったり、またできたり、spaceを押してもそれがスペースを挿入することに必ずしもならないことがあり、何か法則があるのでしょうが。ご存知でしたら教えていただけますか?
_ カスヤ ― 2021年01月12日 22:06
たけおさん
私はWindows環境ですが、Shift + Enterで分節内に改行を挿入できます。ただし、訳文を出力した際に、必ずしも改行が入っているとは限りません(ファイル形式によるようです)。
私はWindows環境ですが、Shift + Enterで分節内に改行を挿入できます。ただし、訳文を出力した際に、必ずしも改行が入っているとは限りません(ファイル形式によるようです)。
_ たけお ― 2021年01月15日 17:13
ご回答ありがとうございました。未だ基礎の基礎を知らないうちにカスヤさんに質問をしてしまったことに気づきました。
私は、カーソルを任意の分節に移動させ、その分節内において、「挿入した原文」や訳文に自由に改行などの操作ができると思っていました。
ところが、設定した「移動」方法で(例えばtabキーなど)で所望の分節に移動して、翻訳対象となった分節においてのみ、訳文または「挿入した原文」の改行などができることがわかりました。また、何かあったらご教示ください。
(今は、分節化の例外規定を設定するのに苦労しております。扱う言語はドイツ語なんですが、英語と同様であると考え、言語が英語の場合の、Mr.の例を参考にして、ドイツ語を選択して、Fig.の後で改行しないように、Fig\.と\sと入力して、チェックは入れないで、設定を完了しましたが、だめです。若し原因をご存知でしたら、教えていただけると助かります。)
私は、カーソルを任意の分節に移動させ、その分節内において、「挿入した原文」や訳文に自由に改行などの操作ができると思っていました。
ところが、設定した「移動」方法で(例えばtabキーなど)で所望の分節に移動して、翻訳対象となった分節においてのみ、訳文または「挿入した原文」の改行などができることがわかりました。また、何かあったらご教示ください。
(今は、分節化の例外規定を設定するのに苦労しております。扱う言語はドイツ語なんですが、英語と同様であると考え、言語が英語の場合の、Mr.の例を参考にして、ドイツ語を選択して、Fig.の後で改行しないように、Fig\.と\sと入力して、チェックは入れないで、設定を完了しましたが、だめです。若し原因をご存知でしたら、教えていただけると助かります。)
_ カスヤ ― 2021年01月16日 12:46
「Fig\.と\sと入力して、チェックは入れない」でいいはずです。可能性として考えられるのは、分節化規則がプロジェクト特有に設定されているときに、グローバル設定を変更しても反映されないので留意が必要です。
http://kasuya.asablo.jp/blog/2020/12/23/9329662
http://kasuya.asablo.jp/blog/2020/12/23/9329662
_ たけお ― 2021年01月17日 12:17
コメントありがとうございました。
グローバル設定にした記憶がありますが、確信がもてません。
当該プロジェクトの設定をグローバル設定と専用設定の両方において確認してみました。
グローバル設定では、上記の例外規定が表示されます。
プロジェクト設定では、「分節化規則をプロジェクト専用にする」にはチェックが入っていません(チェックをいれて、言語を選択すると、追加した例の例外規定は表示されますが)。
当該プロジェクトの後で作成した全く別のプロジェクト(”Fig.”を含まない。したがって、当該例外規定は行わず)で同様の確認をしたところ、同じ結果になりました。
この状況から、当該例外規定がグローバル設定だったと判断してよいかわかりませんが。今後、例外設定(Fig.の件を含め)をするとき、このグローバル設定とプロジェクト専用設定とを意識してやってみます。何かわかるかもしれません。
グローバル設定にした記憶がありますが、確信がもてません。
当該プロジェクトの設定をグローバル設定と専用設定の両方において確認してみました。
グローバル設定では、上記の例外規定が表示されます。
プロジェクト設定では、「分節化規則をプロジェクト専用にする」にはチェックが入っていません(チェックをいれて、言語を選択すると、追加した例の例外規定は表示されますが)。
当該プロジェクトの後で作成した全く別のプロジェクト(”Fig.”を含まない。したがって、当該例外規定は行わず)で同様の確認をしたところ、同じ結果になりました。
この状況から、当該例外規定がグローバル設定だったと判断してよいかわかりませんが。今後、例外設定(Fig.の件を含め)をするとき、このグローバル設定とプロジェクト専用設定とを意識してやってみます。何かわかるかもしれません。
_ カスヤ ― 2021年01月30日 18:13
たけおさんの本来の目的が原文セグメントを分割することだとすれば、
OmegaT用のgroovyスクリプト(merge_split)を使う手があります。
少々わかりにくいかもしれませんが、下記のサイトが参考になります。
https://libretraduko.wordpress.com/2016/01/12/merging-and-splitting-segments-in-omegat-without-editing-segmentation-rules/
OmegaT用のgroovyスクリプト(merge_split)を使う手があります。
少々わかりにくいかもしれませんが、下記のサイトが参考になります。
https://libretraduko.wordpress.com/2016/01/12/merging-and-splitting-segments-in-omegat-without-editing-segmentation-rules/
_ たけお ― 2021年01月31日 10:12
スクリプトのサイト、拝見いたしました。私はまだ、基本を学習している段階で、残念ながらそのレベルに至っておりません。でも今後のためにOmegaTのbookmarkに入れさせて頂きました。実は今、1つの問題が解決できておらず、もう少し自分で努力してみて解決できなかったら、カスヤさんにご相談させて頂こうと考えているものがあります(あまりに基本的な問題だと思いますので)。サイトのご紹介、ありがとうございました。
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はじめまして。翻訳者のheeと申します。
昨日はリツイートありがとうございました。
こちらの記事を大変興味深く拝見させていただきました。
支援ツールはエディタ機能が貧弱なことも多いので
テキストエディタとの連携は重要なポイントですよね。
(私はWordと連携させることが多いです。)
客先からツールを指定されることが多く、まだ
OmegaTを使ったことがないのですが、いつか機会がありましたら
こちらのサイトを参考にさせてください。
今後共よろしくお願いいたします^^//
hee